アウトライナーにハマる
長い文章を書くときに目次のような全体の枠組みを決めておく。その枠組みのことをアウトラインという。アウトライナーというのはそれを作るためのツールで、これだけ聞くとわざわざツールを使うのは大げさに感じる。ところが実際にアウトライナーを触って使い方に慣れてくると、すっかりアウトライナーが気に入ってしまった。
きっかけはアウトライナー座談会
きっかけは「苦しみの執筆論 千葉雅也×山内朋樹×読書猿×瀬下翔太:アウトライナー座談会」というwebの記事だ。この記事で名前を聞いたことのある学者やブロガーの方が使っているのを知って興味を持った。
第1回「書くこと」はなぜ難しいのか? - 苦しみの執筆論 千葉雅也×山内朋樹×読書猿×瀬下翔太:アウトライナー座談会 | ジセダイ
記事を読むだけだとアウトライナーの素晴らしさはそんなに理解できなかった。とりあえずWorkflowyと言う紹介されているツールを実際に触ってみて、初めてこれは良いものだということがわかった。
Markdownでメモをしてるのとは全然体験が違う。色んなノートアプリを触ってきたけど、それらとは全然違う体験だった。Workflowyにはファイルという概念がなく、全てがの行がノードであり、ホームを頂点としてすべてのノードがツリー構造になっている。このシンプルな構造が全く新しい体験を生んでいた。ツリー構造とは言ったが実はリンクやミラーリンクと呼ばれる機能があってツリー構造だといかにも不便そうなところは器用に回避している。
A simpler way to organize your work - WorkFlowy
アウトライナー実践入門を読んだ
Workflowを使ってアウトライナーが気に入ったので、『アウトライナー実践入門』という本を読むことにした。
https://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-8285-8
アウトライナーの概念的なところも実践的なところもバランスよくまとまっている本だった。
概念的なところだとアウトライナーは大きな枠組みを作り整理することと、細部を列挙して詳細を育てていくことを行ったり来たりすることがやりやすいツールで、それがアウトライナーのキモなのだということが説明されていた。
実践的なところだと実際にライターの方が執筆するときのアウトライナーの使い方も紹介されていて参考になった。
ObsidianやScrapboxもアウトライナー的に使いたくなる
アウトライナーの方法論はWorkflowy以外でも使うことができる。日常的に使っている ノートアプリ Obsidianでも使いたくなった。Obsidianのコミュニティプラグインでアウトライナーのような使い方ができるプラグインがあったので入れてみた。なので最近はWorkflowyはあまり使わずにObsidianの中でアウトライナー的な使い方をしている。
GitHub - vslinko/obsidian-outliner: Work with your lists like in Workflowy or RoamResearch
GitHub - vslinko/obsidian-zoom
Scrapboxも他人との共有用で使っている。Scrapboxはアウトライナーにのように使うための機能がない。せめてインデントされている行を折りたたむ機能くらいはほしい。そうすれば何段にも深くなったリストの、一段目だけを表示してひと目で全体像が見えるようになる。
Scrapboxでリストを折りたたむ機能がほしい
— 🍙 (@nakaokat) 2022年3月10日
ないなら作って見ようということで UserScriptを書いてみた。その結果多少はアウトライナーに近い使い方ができるようになった。
ScrapboxのUserScriptを改良して、特定のインデントだけクリックして開閉できるようにしてる。アウトライナーに近づいてきた。 pic.twitter.com/lhaF0RWy0a
— 🍙 (@nakaokat) 2022年3月12日
GitHub - nakaokat/fold_indent: インデントで折りたたむことができるようにするScrapbox UserScriptです
まとめ
という感じで最近はアウトライナーを使っている。これさえあればどんな人でもいい文章が書けるというような魔法のツールではないけど、長い文章を書くときでも文章が破綻しないし短い文章でも文章の順番やバランスを考えるのに役に立つ。