『君たちはどう生きるか』を見てきた

平日の仕事が終わって夕食を食べた後、午後9時からの上映を見てきた。

宮崎駿は鳥が嫌いか、不気味だと思ってるんじゃないかな。俺も鳥は不気味だと常々思っている。公園にいる鳩を見ていると、何を考えているかわからなくて不安になる。勘違いかもしれないが、そういう鳥に対する嫌悪感のようなものが見えてよかった。そんな何を考えているかわからない鳥たちがベラベラと喋っている映画を見せられると、この世のものとは思えない、奇妙な感じがした。それは狙い通りなのだろう。

建物

京都市内にああいう、角が円柱になっている洋館あるよなーと思いながら見た。写真を見ると映画のように高い建物ではなかった。雰囲気というか、様式としては近いと思う。京都は戦争で焼かれてないから古い建物が多いんだろう。それを考えると、あの建物も戦争の前の時代に作られたという感じが出ていてよかった。

 

京都市内にある洋館

上映後わって後ろを振り返ると、ハンカチで涙を拭いている女性が一人いた。これで泣くのかと衝撃を受けた。『風立ちぬ』は俺も号泣した。でもこれで涙は出てこない。

これ、どの辺が「君たちはどう生きるか」なんだろう。あまりタイトルに引かれてもしょうがないかもしれないが、どちらかというと「不思議の国の直人」という感じの内容だった。

テーマが生きるとか死ぬとか、純度が高い。生まれてきて死ぬという人生の最初と最後、あるいは生前と死後という極端なところが映画になっている。こっちとしてはその中間の色々ごちゃごちゃしているところをどう生きるかに関心があるのだけど、そこは映画では描かれない。

主人公はその後の人生を生きると思うけど、そこははっきりとしたものは何も描かれていない。もしかしたらヒントが描かれていたかもしれない。宮崎駿の監督の映画だから、さらっと見ただけでは拾いきれていない情報だらけだろう。まあそれにしても普通に見たら何も描かれてないので、「どう生きたらいいんだ」という意気込みで見たら拍子抜けするかもしれない。

この映画が万人におすすめできるかというと微妙だけど、そんなに期待せずに見るならおすすめです。