スマホサイズの電子ペーパー端末 Boox Palma を手に入れた

電子書籍リーダーとしてBoox Palmaを購入した。期待以上の使い心地で、かなり満足している。

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片手で持ててポケットに入る大きさがいい

Palmaはスマートフォンのような6.13インチの縦長の電子ペーパーディスプレイを搭載している。普段使っている Pixel 6 とほとんど同じなので、手に持った感触も近い。ベゼルの幅が広いのでディスプレイサイズが6.4インチのPixel 6 よりもPalmaのほうが本体サイズが少し大きいが、本体重量はPalmaのほうが軽い。

電子書籍リーダーといえばタブレット型のイメージがあったので、スマホサイズで読みにくくないか不安だったが、小さくて不便ということはなかった。体験としては文庫や新書を読んでいるときに近い。

むしろこれくらい小さいほうが片手で持てるし、ポケットにも入るので便利だ。

Boox Palma

電子ペーパーの性能が進化している

電子ペーパーの端末としては2つ目。1つ目は2013年に購入したKindle Paperwhiteだ。反応速度が遅くて使い勝手が悪いため正直ほとんど使っていなかった。その印象が悪かったのか、それ以来電子ペーパー端末は購入していなかった。

比較対象が10年以上前のKindleなので当然だが、かなり高性能になっていた。

まず単純に画面が綺麗。解像度は300dpiで小さい文字もはっきりと表示される。白黒のコンストラストが高く、白いところははっきりと白い。少し前のモデルのBooxのカラー電子ペーパー端末と比べさせてもらったところ、Palmaのほうが白黒のコンストラストが強かった。

反応速度も早い。YouTubeの動画を快適に見ることは無理だろうし、Twitterの高速に流れるタイムラインを見るのにも向いていないと思うが、むしろそれがいい。落ち着いて文章を読むことに集中できる。

ソフトウェア

OSはAndroidAndroidのアプリをインストールすることができる。KindleだけではなくPlayブックスもインストールした。電子書籍は基本的にKindleで買っているけど、Amazonのアカウントが停止されるリスクもあるし、選択肢は複数あったほうがいい。

デフォルトの日本語入力が使いづらかったので、Gboardもインストールした。これで使い勝手がだいぶ改善された。

あとはパスワード管理ソフト、ブラウザ、メモアプリ、Dropboxなどのクラウドストレージアプリもインストールした。Android スマートフォンで使っているアプリがそのまま使えるのはうれしい。

Android ではあるが、Boox独自の電子ペーパーに最適化するための機能が乗っかっている。

アプリごとにリフレッシュモードを変更できる。リフレッシュを高速にするほど電子ペーパー特有の残像が残る。なのでブラウザのような画面の動きが大きいアプリでは高速リフレッシュして、電子書籍アプリのような動きの少ないアプリではリフレッシュは低速にして残像は減らすという設定が可能だ。

アプリごとの調整機能

面白い機能として、スクリーンセーバー設定の「透明スクリーンセーバー」という機能だ。Booxは電子ペーパーなのでロック画面でもディスプレイに表示を残したままにできる。透明スクリーンセーバーとは、ロック画面でも表示をそのままにするという機能だ。

この機能をスクリーンセーバー呼ぶことに違和感を覚えるが、ともかくこの機能によってロック解除しなくても前に開いていたページを読むことができるのは便利なので使っている。

透明スクリーンセーバー

あえて不満を上げるとしたら

期待以上の使い心地の良さに満足しているが、あえて1つ不満を上げるなら指紋認証などの生体認証の機能がついていないことだ。頻繁に認証を求められるデバイスではないが、アプリにログインしたり電子書籍を購入するときに認証を求められることがあるので、指紋認証などの生体認証機能がついていたら便利なのにと思うことはあった。

まとめ

Boox Palma は高性能な白黒電子ペーパーディスプレイを備え、汎用的なAndroid OSに電子ペーパーに特化したソフトウェアを搭載している。

文章を読むことに特化した電子書籍リーダーとして十分に実用的で完成度が高い。

PalmaがよかったのでタブレットサイズのBooxもほしくなった。10インチの Boox Note Air3 C あたりがいいだろうか。最新のカラー電子ペーパーがどの程度使い心地がよいのか試してみたい。

やきいもの季節

オーブンレンジでやきいもを作って食べた。オーブンレンジのメニューに焼きいもがあったので、番号を選択するだけで、細かい焼き加減や時間などは気にする必要なく、仕事をしている間に40分ほど待っていると出来上がった。

皮はほどよい固さで、中身はしっとりと焼き上がっていた。茨城県産の紅優甘という品種のさつまいもだ。中の甘みが強いので、皮の部分も食べるとちょうど箸休めになっていい。

今日は雪がちらついていた。外を歩くと顔が凍えそうだった。温かくて甘いやきいもがうれしい。

今年買ってよかったもの 机周り編

今年は机周りを色々と買い直していた。仕事中の座りっぱなしの負荷を削減するためだ。なかでも電動昇降デスクと分割キーボードは満足度が高い。

電動昇降デスク

組み立てて天板を自分でつけるタイプのものを購入した。組み立てるのはそれなりに大変だった。そこは安さと引き換えなので仕方がない。

普段は普通の机の高さにして、椅子に座って使っている。座りっぱなしでいると体が椅子に座ることを拒否しだすので、そういうときは机を上げてスタンディングで仕事をしている。

もはやこれなしで働くのが想像できない。

キーボード・マウス

Keychron Q11 QMK Custom Mechanical Keyboardwww.keychron.com

Keychron の Q11 というキーボードを購入した。分割タイプのメカニカルキーボードだ。キースイッチはGateron G Pro Red。

分割キーボードを使うと自然と姿勢が良くなって、肩や背中への負担が減っている気がする。

キーボードの見た目や質感もよく、値段もそこまで高くなかったので買ってよかった。ここまで円安でなければもっと安く買えたのに、とは思うが必要なものは必要なときに買うしかないので仕方がない。

操作感や打鍵感に不満がないわけではない。操作感についてはBキーを右手で打つのに慣れていたので、左手で打つのに慣れるのが少し大変だった。打鍵感についてはそれまで使っていたNiz の Atom 68 という静電容量式のほうが静かでいい。ただし耐えられないというほどでもないし、これはこれで違う味わいがある。

キーボードはこだわりだすとキリがなさそうだけど、総合的には今のキーボードで満足している。

分割キーボード用のリストレスト

分割キーボードにしたのでリストレストも買い直し。木の板にしては値段が高いように思うが、ちょうどいいサイズと肌触りのリストレストは必須なので買うしかない。ブックストッパーとして使うのにもちょうどいいサイズなのでおすすめだ。

トラックボールマウス

トラックボールマウスも買っていた。これも悪くはない。

毎日使っている仕事道具なので、デスク周りを揃えるのは重要だ。多少お金かけても使用回数で割ると大した金額ではなくなるので、腰や背中を壊すまえに買っておくのがおすすめだ。

ベトナム・ハノイ旅行 バイン・ミー

先月ベトナムハノイに行ってきた。 10月のベトナムは暑さも和らぎ、雨も多くない季節で旅行にはちょうどいい。一度本場のバイン・ミーを食べたいと以前から思っていたので、旅行することにした。

日本の関西空港からハノイ近辺のノイバイ国際空港まで6時間ほどで行くことができる。円安とはいえ、LCCを使えば往復航空券が4万~5万程度だ。物価は日本よりも安いので、ホテル代などを考えると費用は国内旅行と大差ないか安いくらいだろう。

ハノイで見る海外企業

ベトナムには日本企業や日本の製品が多い。飛行機からハノイ近辺を見下ろすと、ホンダの工場が見えた。ノイバイ国際空港に到着し、トイレに入るとTOTOのハンドドライヤーが設置されている。車は日本車が多い。コンビニはなぜかサークルKで、ポッキーやコアラのマーチも売られている。イオンモールまであるのを見かけた。

ただし日本企業一色というわけではないい。韓国のヒュンダイやキアの車もよく見かけた。ハノイにはロッテタワーという高層ビルがあり、他に高い建物が少ないこともありかなり目立っていた。資本の力を感じる。

飛行機から見るホンダの工場とベトナムの民家

ロッテタワー。武蔵小杉のタワマンではない。

ベトナムのIT

空港で両替をして、SIMカードを購入する。povoで海外ローミングも使えるが、現地のSIMカードを購入してスマホに入れ替えた。

移動は配車アプリのGrabを使えば、ぼったくられることなく移動できるので必須だ。アプリから配車すると近くにいるドライバーとマッチングして、近くにいればすぐにやってくる。車種とナンバーが登録されているので、それで自分の呼んだ車かを判別することができる。あとは乗るだけ。目的地を口頭で伝える必要もない。料金も登録したクレジットカードに請求される

ただ店舗での支払いは現金が主流だ。カードが使える店もあるが現金は持っておいた方がいいだろう。現金の支払は不便だ。紙幣の桁が大きいし、肖像が全部ホーチミンなので区別がつきにくい。

ハノイの日本企業で働くベトナム人のエンジニアやスクラムマスターと食事をした。日本もベトナムもITの仕事には大きな違いはなさそうだ。

ベトナム料理。ハノイではなくベトナム中部の料理らしい。

配給時代からドイモイ

ベトナムの配給時代をモチーフにしたカフェに行った。店員が軍服のような緑色の制服を着ている。日本でいうと昭和をモチーフにしたコスプレカフェといった感じだろうか。

配給時代と言われてもわからないので、ベトナムの歴史を少し調べた。ベトナム戦争が終わり南北が統一されたあと、配給時代という社会主義経済の時代があった。その後、ソ連ペレストロイカしているときにベトナムでも市場経済を取り入れてる変革を行った。1886年ドイモイと呼ばれる政策だ。それが成功して今のような海外の資本も取り入れた開かれた市場を持つ国ができている。本家のソ連ペレストロイカの甲斐なく1991年に崩壊したが、ベトナム市場経済を取り入れた社会主義国が続いている。この国はペレストロイカが続いている国なのかと納得する。

カフェ

タクシーからレーニン像のある公園が見えた

帰国

帰りの飛行機は深夜に出発して、早朝に到着する便に乗った。同乗者にはベトナム人の若者が大勢いた。修学旅行のような明るい雰囲気である。スーツにスニーカーというミスマッチが高校生っぽい。同乗している人が持っている紙に、日本語で企業、協同組合、市町村の名前らしき文字列でかでかと書かれている。ツアー会社のようだ。その文字列を検索すると外国人労働者・技術実習生の受け入れ団体であることがわかった。

偏西風の影響で帰りは行きよりも1時間早い5時間ほどで到着する。あっという間だ。深夜バスで関西から関東に行くよりも早い。ベトナムは近い。

本場のバイン・ミーはパンがサクサクで軽く美味しかった。

ジムに行き始めた結果 体脂肪率が3%落ちた

6月末からジムに行き始めて2ヶ月間が経過した。健康診断で体脂肪率が3%落ちているのが判明した。

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健康診断

先日健康診断を受けて来たら、体脂肪率が3%落ちたことが判明した。ここ数年の健康診断の結果を見ると、体脂肪率が年間1%のペースで増えていたので、4年前の2019年の頃の体脂肪率まで落ちたことになる。

有酸素運動と筋トレ

有酸素運動は毎回ランニングマシンで15分から25分。だいたいiPadで動画を見ながら3km/hから5km/hくらいのペースで歩いたり、走ったりしている。

筋トレはなるべく特定部位に偏らないようにやっている。チェストプレスまたはベンチプレス、ラットプルダウン、デッドリフトブルガリアンスクワットあたりを続けている。ブルガリアンスクワットはおすすめで、バーベルを使うスクワットよりも手軽で腰に負担がなさそうだけど大臀筋にはより効いている感じがする。

最近だんだんと筋肉に詳しくなってきて、鍛えられてない部位がわかってきた結果、トレーニングの種目が増えて来ている。

プロテイン

プロテインも飲んでいる。REYSのホエイプロテインが安くて泡立ちが少ない。ヨーグルトが一番好き。カフェオレ味もコーヒー牛乳みたいな味で美味しい。

まとめ

ジムに行くと体調が良くて気分がいいので続けていたが、体脂肪率も減っていてよかった。ブルガリアンスクワットとREYSのホエイプロテインはおすすめです。

追記

なおゲームをする時間はなくなったので、ゼルダの伝説TotKは保留状態。ピクミン4も体験版をして面白そうだったけど買っていない。

比治山公園に行ってみた(2)放射線影響研究所

比治山公園広島市現代美術館に行った後、ついでなので同じ公園内にある放射線影響研究所も見てきた。放射線影響研究所比治山公園の頂上付近にある日米共同の研究所だ。祖母がかつてこの場所で働いていたという話もあり、興味を持って行ってみた。

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放射線影響研究所

放射線影響研究所は原爆投下後にアメリカが作った原爆傷害調査委員会(ABCC)が前身の研究所である。1975年に日米共同運営に再編されて、現在の放射線影響研究所になっている。

近くに赤と白の電波塔が立っているので、それを目指して美術館から歩いていった。山の中なのでそこらじゅうからセミが鳴いていてうるさい。道は木陰になっているが、それでも8月の広島は暑い。汗を流しながら坂道を登っていき、放射線影響研究所までたどり着いた。

裏手から回ったので、看板などに遭遇することなくいきなり独特な形状の屋舎が目の前に現れる。

放射線影響研究所のかまぼこ型の建物

正面に回ると放射線影響研究所の看板が見つかる。日曜日ということで人はいない。駐車場を見ると役職者用の駐車スペースが並んである。平日だと所長や理事長といった人々が車で来て、ここに車を止めているのだろういう生活感が垣間見える。

放射線影響研究所(正面)

放射線影響研究所の看板

電波塔の存在感が強いが、電波塔自体は放射線影響研究所の設備ではなく、FM放送の送信のための設備である。しかしこの電波塔と独特な形状の屋舎のせいで、映画やドラマに出てくる秘密の研究所のようにも見える。

祖母と放射線影響研究所

原爆投下当時、私の祖母は広島駅辺りにいたらしく、電車に乗り遅れたおかげで助かったという話を聞いている。広島駅というと爆心地から2キロほどしか離れていない。生き残ったのは運が良かった。

そして戦後、その祖母はこの場所で働いていたということを両親から聞いた。この場所で働いていたのは子供が生まれる前とのことなので、1940年代後半か1950年代のはずだ。ということは放射線影響研究所ではなく前身のABCCで働いていたということだろうか。原爆投下からそれほど年月も経っていないなか、大勢の被爆者が出入りするABCCで働くというのは、どういう心情だったのか想像することも難しい。

陸軍墓地とフランス兵士の墓

放射線影響研究所の横には陸軍墓地がある。放射線影響研究所がある場所一帯はもともと陸軍墓地だったとのことだ。西南戦争からある墓地だが、戦後にABCCが比治山に作られたこともあり、現在は放射線影響研究所の近くの一角に縮小されている。

比治山陸軍墓地の入口あたり

陸軍墓地の奥に、フランス兵士の墓がある。義和団事件のときに死亡した兵士とのことだ。歴史を感じる。義和団事件で怪我をした兵士120名余が広島に搬送され、陸軍病院で治療されたが、そのうち7名が広島で死亡して、ここに埋葬された。

まとめ

原爆ドームと同様にこの場所も広島に原爆が落とされたという証拠の一つなので、原爆ドーム平和公園などの観光が終わって、時間がありあまった人は広島市現代美術館とともに訪れてみるのもおすすめです。

また、標高の高いところを目指すのはゼルダの伝説BotWでおすすめのテクニックですが、現実世界でも高いところに登ってみると、放射線影響研究所のようなものと出会えるかもしれません。高いところを目指すのもおすすめです。

参考

比治山公園に行ってみた(1)広島市現代美術館

比治山は広島駅から直線距離で2km、広島の繁華街である流川からも1.5kmほどの、広島市内にある小さい山だ。

広島市は三角州の上にできた街だが、その平らな三角州のなかにぽつんと比治山がある。どうやってできたのか不思議でたまらないが、とにかくそこに山がある。

比治山には比治山公園という公園がある。公園というよりも適度に整えられた山のなかに美術館や図書館などの施設があるというほうが印象に近い。

広島市現代美術館の建築

広島市現代美術館はその比治山公園のなかにある美術館だ。今年の3月にリニューアルが完了したようで、ちょうどいい機会だと思い、初めて行ってみた。

広島市現代美術館

広島市現代美術館の建築は、正面が視力検査の記号のような、C字型の独特な形になっている。円や長方形などの幾何学的な形が組み合わさった建物で、モダンな印象を受ける。

蝉の鳴き声が響く比治山の坂道を登っていくと、このようなモダンで無機質的な建物が突然出てきて、打ち捨てられた宇宙船を偶然見つけてしまったような気分になって気持ちが高まる。

美術館のなかにはリニューアルマップという印刷物があり、どこをどう修繕したのか見て回れるようになっていた。新旧の壁が入り混じって色が違うところなどを見つけるというような楽しみ方ができる。

リニューアルとデザイン

リニューアルの一貫として、ピクトグラムタイポグラフィのデザインも一新されたらしく、建築物以外のデザインにも目に留まった。

トイレのピクトグラムは主張が強く、賛否が分かれそうだ。

トイレのピクトグラム

ピクトグラムを構成する図形は広島市現代美術館の建築がモチーフらしい。

ピクトグラム

「新生タイポプロジェクト」という、広島の街中の看板などの文字を、美術館の案内板などのデザインに使うプロジェクトがあった。タイポグラフィが好きなので、こういうのは好き。

新生タイポプロジェクト

バレーボールなどのスポーツ用品で有名なモルテンの「モ」が置かれていた。

モルテンの「モ」

モルテンのデザインは「キッズスペース」に受け継がれていた。

モルテン風の「キッズスペース」

展示

建築やデザインだけではなく、もちろん展示も見てきた。

屋外に設置してあるボテロの「小さな鳥」は可愛くて印象に残っている。

小さな鳥

名前に反して小さくはない。

小さな鳥(後ろから)

後ろから見てもかわいい。

どれが一番印象に残ったかというと、丸木位里丸木俊の「原爆の図」だ。8月の広島で、見ているからかもしれないが、生々しい恐ろしさがあった。

まとめ

美術に興味のある人はもちろん、建築に興味のある人、デザインに興味のある人にも楽しめる美術館だったので、広島市現代美術館おすすめです。