軍事政権下の民主化運動をテーマにした韓国映画3作品を見た

1987、ある闘いの真実』、『タクシー運転手』、『弁護人』の3本の映画を見た。

見た順番でそれぞれの感想。

1987、ある闘いの真実

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あらすじは以下の通り。

「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン監督が、韓国民主化闘争の実話を描いた社会派ドラマ。1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ略) https://eiga.com/movie/89074/

脱北者であり公安警察の所長であるパク所長の迫力がすごい。この映画のなかで誰よりも強烈で印象的な人物は、どうやら実在の人物らしい。

1987年の韓国の民主化運動や軍事政権化での民主化運動の弾圧、報道規制について何も知らなかったから、こんな世界がこんな近い国にあったのかという素朴な衝撃を受けた。

『タクシー運転手』

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これは3本の中では一番エンターテイメント性の高い作品だと思う。主人公のタクシー運転手がコミカルだし、ゾンビ映画のような不気味さやアクション映画のようなシーンもある。

光州事件という1980年の光州市で起きたデモと軍による弾圧が映画の舞台。ソウルおタクシー運転手である主人公が高額の報酬に目をくらみ、外国人ジャーナリストを載せて戒厳令下で封鎖された光州市に向かうという話。

素朴に楽しめるシーンが多いおで、わりと誰にでもオススメしやすい作品。

『弁護人』

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またソン・ガンホが主演。ソン・ガンホが演じる弁護士は、2000年代に韓国大統領になる盧武鉉がモデルらしい。高卒ノンエリート・ノンポリ弁護士が身近な人物の公安事件の冤罪裁判の弁護人となる話。

『1987』では警察が、『タクシー運転手』が軍がそれぞれ民衆を弾圧する組織として描かれていた。『弁護人』では司法機関であっても捏造された自白を無批判に受け入れるシーンがあり、直接的な暴力にも劣らない恐怖を感じる。

3つ見た感想

どれも1980年から1987年の韓国を舞台とした作品だ。当時の韓国は経済成長を成し遂げた一方で、軍事政権により民主化運動は弾圧されていた。そんなことは見る前は頭になく、たしか歴史の教科書に載っていたような気がするが、それがいつどのように終わったのかということは全く気にしたことすらなかった。

映画だけの知識をそのまま歴史的事実と認識するのはちょっと危険だが、歴史を知るきっかけにはなった。