メトロポリタン美術館展 マリー・ドニーズ・ヴィレール

昨年末のことだが大阪市立美術館メトロポリタン美術館展に行ってきた。

印象に残っている作品のひとつがマリー・ドニーズ・ヴィレールの《マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)》 。

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この作品は、長いこと新古典主義の巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドが作者だと考えられていましたが、20世紀半ばに疑問視され、1996年に研究者によってヴィレールの手に帰されました。

作品紹介|メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

1801年の作品なので、フランス革命が10数年前に起こり終演を迎え、ナポレオンが皇帝になる数年前の頃の作品。

ダヴィッドといえばフランス革命の頃のいちばん有名な画家で新古典主義の巨匠。あんまりダヴィッドっぽくは見えないんだけど、ダヴィッドの作品だと思われていたらしい。

男性の作品だと思われていたものが実は女性作者のものだったというのは、現代的な感じがして印象的だった。

隣に男性画家であるル・ブランの《ラ・シャトル公爵夫人》が展示されていて、ポーズや照明が対照的で面白い。

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マリー・ドニーズ・ヴィレールの絵を見て、女性画家を主人公にした『燃ゆる女の肖像』という映画を思い出した。

この映画の舞台は18世紀後半のフランス。Wikipediaによると1770年らしい。フランス革命直前のフランス。主人公の女性画家も父親の名前で作品を発表していた。この映画もいい映画だった。

【公式】映画『燃ゆる女の肖像』本予告 12/4公開 - YouTube

Portrait of a Lady on Fire (2019) - IMDb

マリー・ドニーズ・ヴィレールのような日本では知名度の低い画家の作品が、本当の作者の名前とともに見れていい展示だった。