メモアプリとデータポータビリティ

最近 Simplenotes にちょっとしたメモを書くことが増えた。

メインで使っているメモアプリObsidianのデータをiCloud に移したことで、Appleのデバイス以外からアクセスできなくなったのが 理由の1つだ。

Simplenotesの開発をしているのはautomatticと言う会社だ。 WordPress.comのオーナーであり、少し前だとTumblrを買収したことでもニュースになっていた。

Automattic – Making the web a better place

愛用しているpodcastアプリのPocket Castsもこの会社が保有している。 何年か前に日記アプリとして流行っていたDay Oneもこの会社が保有している。 Tumblrのように買収したアプリだろう。自社サービスの一覧を見るとなかなか自分の好みにあったアプリ・サービスを保有している。

久しぶりにDay Oneをインストールしてみた。 こういうメモ型のアプリで気にしているのがデータトランスポータビリティーだ。つまり自分のデータを扱いやすい形でエクスポートできるかというのを重視している。

Obsidianを使っているのも、データが全てMarkdownのテキストファイルで簡単に移動できるからだ。

Simplenotes 及び Day One の2つのアプリでそれぞれエクスポートをしたところ、ユーザにやさしいデータ形式でエクスポートされた。

Day One が1つのjsonファイル。 画像がある場合は画像のファイルも一緒にダウンロードできた。 simplenotes は同じように json のファイル。それに加えてページごとにテキストファイルも一緒にダウンロードできた。

2つとも データポータビリティーの高いアプリなので安心して使うことができる。 このautomatticと言う会社はポータビリティーを大切にしている企業なのだと思う。好感が持てる。

GDPRにもデータポータビリティーの権利に関する記述がある。

GDPRにおけるデータポータビリティの権利とは、①事業者等に自ら提供した個人データを本人が再利用しやすい形式で受け取る権利、②技術的に実行可能な場合には別の事業者等に対して直接個人データを移行させる権利とされている(図表1-3-1-11)。このような権利を設定することで、個人データの保護を図るとともに、個人データの囲い込みの防止による競争の促進、個人データを活用したイノベーションの創出、ユーザーのコントロール下での個人データの共有の促進によるユーザーの利便性向上といったメリットが期待されている。すなわち、データポータビリティには、個人の権利の確立・保障という側面と、競争政策的な側面の両面がある。 (https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd113130.html)

ユーザとしてはエクスポートできるのは当然として、再利用しやすい形でエクスポートしたい。そういう機能を提供しているアプリは積極的に使っていきたい。 アプリを作る側としては、 ユーザの権利を守るためにこういった機能を後回しにせずに実装していきたい。 メモアプリだけではなく、ブログのようなユーザが文章などのコンテンツを投稿するサービスでも必須だと思う。