最近はコードレビューや設計レビューをする時の心理的負担が減ってる

ソフトウェア開発をしていると、他の人のコードや設計のレビューをすることが頻繁にある。これまでコードレビューや設計レビューというと、他の人の判断にケチをつけるようで心理的負担があった。最近は考え方が変わって、レビューに対する心理的負担は減っている。

少し前に『NOISE 上: 組織はなぜ判断を誤るのか?』という本を読んだ。この本では人間の判断には、専門家であってもばらつきがあるということが言われていた。それがノイズと本の中で言われているものだ。アメリカの裁判で、判事によって量刑のばらつきがあること、誕生日だったり、気温が暑かったり、そう言ったものでも判断の傾向が変わることなどが書かれていた。

ソフトウェアエンジニアがしている判断も、きっと似たようなノイズが含まれている。それは人間の性質としてしょうがないのかもしれない。だからレビューで複数の人間が独立に判断をする。違う意見になった時にはその中間を取ることによって、少しでもノイズを減らすことができる。レビューにそういう役割があると考えると気が楽になった。

能力があるソフトウェアエンジニアでもその日に忙しくて時間がなかったり、勘違いしやすい情報を目にしていたり、いろんなことがあって判断はぶれる。「結局のところみんな多少はブレているんだ」と思うと、ぶれてる判断を重ね合わせてなるべくぶれてない判断にしようという気持ちになる。

論理的に一方が明確に間違っていて、一方が正しいという場合もあるので必ずしも中間を取るのは正解ではないが、現実の仕事には白か黒かではなく、グレーのグラデーションのどのあたりが正解か、というような判断が多いので有効な考え方だと思う。

ちなみに下巻の『NOISE 下: 組織はなぜ判断を誤るのか?』は読んでないのでこれから読みます。Audibleで聞いていて、最近下巻が聴き放題の対象になったので。

NOISE 上 組織はなぜ判断を誤るのか?