事故

最近大きな事故のニュースを目にすることが多い。

2020年8月4日、レバノンベイルートの倉庫で大爆発が起こり、200人以上が死亡、6000人以上が負傷した。 2020年7月25日、インド洋モーリシャス沖合で貨物船が挫傷し1000トン以上の重油が流出し、自然環境に甚大な被害をもたらしている。

ベイルートの爆発は政府によって没収されて何年間も保管されていた硝酸アンモニウムに引火したことによって起きたらしい。モーリシャス座礁は船員がWiFiの電波を求めて島に接近したらしい。

どのようにしてこのような事故が起こるのか、興味深いと思っている。普通は事故を防止するために何らかの仕組みがありそうなものだ。没収された硝酸アンモニウムが何年間も首都の倉庫にあったのはなぜか。引火防止の対策が十分ではなかったのはなぜか。

産業事故の事後の検証で、リスクの隠蔽が発見されることがある。上層部はリスクを知っていたが、短期的な利益のために対策をとらなかったり、リスクを現場の人間や利害関係者に知らせていなかったりする。ベイルートでも同じようなリスクの隠蔽があったのだろうか。倉庫で働く人のなかに、このような大爆発が起こりうる知っていた人間がどれくらいいたのだろうか。

モーリシャス座礁だって、座礁を防ぐためのルールや、危険を警告する装置のようなものもあったのだろう。だがそれでも事故は起きた。

起きてはいけないことが起きる。なぜだろう。